たまには本(というか絵本)の紹介もしてみます。
6月に発売されたプルスアルハさんの『生きる冒険地図』です(Amazon)。学苑社刊。小さめのブックレットで、1200円(税別)。装丁に少し怖さを感じますが、読んでほしい人の手にとってもらいやすくする「ねらい」があるのだと思われます。
プルスアルハさんは精神科の看護師さんなどによるプロジェクトチームです。親が精神障害をもっているなど、人に相談しにくいような悩みを抱えた子どもに向けた本をたくさん出してこられました。この本も子どもに向けて書かれた「やわらかな生き方指南書」のようなものです。
そうはいっても、いかにも「教科書」や「マニュアル」らしい体裁はとっていません。子ども自身の気持ちを肯定しながら、他人に頼ること、いろいろな大人がいること、自分自身を知ること、成長とともに広い世界が待っていることなど、今いる環境の窮屈さからどんなふうに抜け出したらよいか、のヒントが詰まっています。
「自分のことを守るためのウソはついていい」
「ひとり目の大人と気持ちが通じない 大人でもあるあるです あきらめんといて! 4人・5人目までがんばってー」
「子どもが子どもでいられる時間は生きるエネルギーになる」
名言の連続です。
子どもたちが集まる場所や家のリビングなどに、それとなく押し付けがましくなく置かれていて、子どもがなんとなく手にとってくれたらいいと思いました。ひとり親家庭、ステップファミリー、障害をもつ人がいる家庭などはもちろん、何らかの人に話しにくい悩みを抱えている子どもの目にとまってほしいです。
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