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子どもから大人になるということ

代表コラム

Instagram(@nposora)やFacebook(nposora2003)にはすでに書いていたとおり、2021年5月22日にNPO法人そらは18周年を迎えました。

人間にたとえれば、18歳。児童福祉法上では「子ども」時代の終わりです。

18歳はみんな「大人」と言えるのか、という議論があるのと同様に、19年目に突入するNPOは組織として「大人」になったと言えるでしょうか。そもそも大人の組織って何でしょうか。

社会学や教育学を学んだ人にはよく知られているはずですが、「子ども」と「大人」の区別は昔からはっきりしていたわけではありません。中世の社会において子どもは「小さな大人」であり、乳幼児期を過ぎれば、大人と同じような扱われ方をしていました。身分や職業の階層があり、家族と共同体のあいだには境目がなく、子どもと大人がいっしょに働いていた(修行していた)時代。そこには親から愛され、守られる対象としての「子ども」はまだいなかったのです(フィリップ・アリエス『子供の誕生』)。

現代の私たちは子どもを学校に通わせるようになりました。学校は、子どもを社会の中で生きられるようにするための仕組みです。あるいは社会を成り立たせるための大人を作る仕組みです。この図式にはおさまらない子どもたちを私たちはたくさん支援しています。年齢に合わせて皆が同じように知識や能力を身につけられるなんてことはないし、学校に行かなくても社会の中で生きていける道筋はたくさんあると、私たちはもう知っています。

子どもと大人の境目を一律に年齢で決めることに大した意味はないのでしょう。それでもどこかに境目を作るとしたら、自由と責任が同時に課されるようになった世の中でどうにか生きられるようになるのが「大人」になるということではないでしょうか。

そんなふうに考えると「個人」も「組織」も大切なことは重なってくるように思えてきます。

自分の強みを知ること。自分の弱みを知ること。自分の強みを活かすこと。そして、頼れる先を増やすこと。

18年という時間の長さは何の自慢にもなりません。美味しいバースデーケーキでも食べたら、感慨に浸るのはもうおしまいにすべきです。でも、18年を経て「そら」自身の強みや弱みへの理解はずいぶん深まってきました。それは「大人」に近づく過程として誇ってよいはずです。

「そら」はせっかくの強みがあまり知られていなかったり、困ったとき人に頼るのが下手だったりします。「大人」になった「そら」は地域のもっと多くの方たちから信頼していただけるようになるでしょう。民法の改正で、いま18歳の子が成人するのは来年4月1日。いっしょに大人になることを目指して、今年度は羽ばたきます。

余談ですが、設立記念日の空には虹が出ていました。

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