10月17日(木)は、城陽市自立支援協議会療育部会にて代表が1時間ほどお話ししてきました。
テーマは「児童発達管理責任者とサービス提供責任者の役割」。一般の方にはぴんと来ないタイトルでしょうが、要するに「子どもと関わる障害福祉事業所の中心人物は、何をすべきか」ということです。
昨年度まで「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」の管理責任者になるには、国が定めたカリキュラムに基づく「児童分野」の管理責任者研修を必ず受講しなければいけませんでした。ところが、国が「分野別の研修をやめて、みんな同じ研修にしよう」と方針転換したため、今年度からは「統一カリキュラム」によって、「障害福祉」と関わるすべての事業種別の管理責任者が同じ内容を学ぶことになっています。これまで大切にしてきた「子どもの支援」固有の視点は残念ながら失われてしまいました。
そして、それ以前の問題としてホームヘルプや行動援護、移動支援等で子どもと関わる事業所の「サービス提供責任者」には「管理責任者研修」にあたるものがありません。以前から「子どもの支援」に特化した研修の受講機会がなかったのです。
城陽市自立支援協議会には、児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所、各種行政機関だけではなく、子どもと関わっている居宅介護事業所も含まれており、今回のテーマ設定は構成団体の学習意欲の表れと言えます。良い地域ですね。
講演では、児童発達支援や放課後等デイサービスについて国が定めた「ガイドライン」とこれまでの児童分野研修の内容を参照しながら、管理責任者等の役割を整理しました。
子どもの支援者は、まず「発達支援」についていっそうの専門性を求められつつあります。「障害福祉」の中で仕事をしていると、「環境調整の方法」については比較的学びやすいのですが、「発達論」を学習する機会がなかなか持てません。これは児童分野研修の中でも課題とされていたことでした。各地で自主的に取り組む研修が増えてほしいです。
また、近年の制度の変化、特に相談支援の導入を踏まえなければいけません。子どもの支援者は「サービス利用以外の話は自分たちに関係ないので相談支援にまかせよう」という態度ではなく、どれだけ相談支援(計画相談)が広まっても「事業所内で子どもがどう過ごすか」にとどまらない視点を持ち続けるべきであることも強調させてもらいました。親やきょうだいへの支援。地域として課題解決に取り組むための連携や資源創出。自分たちの役割を「サービス」のほうから既定してほしくはありません。
終了時に「では、発達論についての研修を組みましょうか」という話題が出ていたので、城陽市の支援は「面」として向上していけるのではないかと強い期待がもてました。ありがとうございました。
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